洗剤臭・生乾き臭が苦手｜マグネシウム洗濯で大助かり

洗たくマグちゃん（開発・販売：株式会社宮本製作所）
マグネシウム金属ペレットをメッシュネットに封入した洗濯補助商品

筆者自身、このマグちゃんという商品に代表される所謂いわゆる「マグネシウム洗濯」を始めてからというもの、とても気に入ってずっと使っています。

この記事では…

• 実際にマグちゃんを使ってみた感想や実感
• マグネシウム洗濯のメリット ＆ デメリット＋注意点
• ネット検索すると出てくる「マグちゃんは効果なし！」という情報の信憑性について

など、気になる点を掘り下げてみました。

と疑問を持たれている場合は、ぜひご参考に。

マグちゃんの併用で洗剤を極力使わず洗濯できる

この洗たくマグちゃん、上写真の丸型ネットの中にマグネシウム玉がたくさん入っています。

マグネシウムで洗濯と聞くとあまりピンとこない方もいるかもしれませんが、これがまだまだ人気（筆者も使い始めて１年経過）。

毎回の洗濯で必ず使いますし、多くの人が手にしています。

累計販売数750万個

洗たくマグちゃんは、誰が触れても安心の洗濯補助用品です。 現在の累計販売数は750万個。お子さまのいるご家庭を中心に、 広く愛される商品となりました。好評の声を受け、 「ベビーマグちゃん」や「ランドリーマグちゃん」、 「洗濯用液体マグちゃん」など、様々な商品を開発しています。

洗たくマグちゃん | 株式会社宮本製作所：https://miyamotoss.co.jp/service/wash/

気に入って使い続ける人がいるのは、それなりのワケがあります。

マグネシウムで洗濯できるメカニズム

マグネシウムは、水に一定時間浸かると水素が発生します。
└ 化学式など抜きでかなり”ざっくり”とした説明ですが難解な解説は省きます。

それがイオン水となり水がアルカリ性に傾き、タンパク質や皮脂汚れ、汗の臭いなどを落としてくれるという仕組み。

※もちろんアルカリで落ちる汚れが落ちるのであって、界面活性剤や石鹸と同じ（or それ以上の）洗浄効果を期待するものでは無い、と筆者個人的に捉えています。

マグネシウムは水に入れてすぐには反応しませんが、十数分以上経ってくると水素イオンが発生するんですね。

2021年4月27日に消費者庁から景品表示法に基づく措置命令があったマグちゃん

マグちゃんを製造販売しているのは株式会社宮本製作所（茨城県）という企業さん

実は2021年4月に”優良誤認の恐れあり”ということで消費者庁から行政措置命令が出たことがありました。

優良誤認というのは、カンタンに言うと実際の効果より著しく優良と捉えられる表現で商品をアピールしたり宣伝したりすることです。

景品表示法第５条第１項（優良誤認）

引用 – 表示規制の概要 | 消費者庁：優良誤認表示(5条1号)

優良誤認とされた表現とは？

消費者庁webサイトより抜粋

• ご家庭の水道水がアルカリイオンの水素水に変身！洗剤を使わなくても大丈夫なお洗濯
• 部屋干しのイヤな臭いをスッキリ解消！
• 「菌の抑制」及び「除菌試験により９９％以上の抑制効果が確認されています。」

出典：株式会社宮本製作所に対する景品表示法に基づく措置命令について -消費者庁
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_210427_01.pdf

ただ、これで販売停止になったとかではなく、

「そこまで言うほど汚れが落ちる根拠あるの？優良誤解を生む表現の訂正＋今後の再発防止してください」

と消費者庁から命令を受けた。ということになります。

消費者庁の行政措置

消費者庁は、本日、株式会社宮本製作所に対し、同社が供給する「洗たくマグちゃん」と称する商品、「ベビーマグちゃん」と称する商品及び「ランドリーマグちゃん」と称する商品に係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。

引用 – 株式会社宮本製作所に対する景品表示法に基づく措置命令について | 消費者庁

つまりマグちゃんの広告や謳い文句、汚れを落とす根拠の提示が

「洗濯洗剤全くなしで、キレイさっぱり汚れを落としてくれる素晴らしいモノ」

と過度に期待させてしまう or 誤解を招く or 科学的証明が必要十分でなかった…

と判断されたということですね。

「効果なし」「無意味」「水洗いと同じ」などと記事になった

当時の報道記事（日本経済新聞）

「（前略）」同庁によると、宮本製作所は昨年6月以降、包装や自社ウェブサイト上で、商品を洗濯機に入れると「水道水がアルカリイオン水に変わる」「洗浄力は洗剤と同等」「除菌効果は99%以上」などのほか、部屋干し臭も防ぐとうたっていた。

しかし消費者庁が根拠の提示を求めたところ、1リットル未満の小さなビーカーでの実験結果しかなく、家庭用の洗濯機での効果は確認できなかった。

宮本製作所は「多大な迷惑を掛け、心よりおわびする。命令を真摯に受け止め、再発防止に努める」とのコメントを出した。〔共同〕

日本経済新聞：「洗たくマグちゃん」根拠なし　消費者庁が再発防止命令

マグちゃん「効果なし」などの文言で報道された記事

• 東京新聞 ：
  効果なし「洗たくマグちゃん」　実験は小さなビーカーのみ、宮本製作所「心よりおわび」
• プレジデントオンライン：
  ｢実質的にはただの水洗い｣洗たくマグちゃんは無意味だと言える”科学的な理由”

これも各報道機関の内容もわからないでもありません。
汚れや臭いが落ちる要因は複合的で、単に洗濯槽に洗剤や石鹸カスを餌とした雑菌の臭いが残っており、洗濯槽を塩素系洗剤で綺麗にした後、マグちゃんを使い始めたケースなど、洗濯槽自体の臭いが軽減しただけと考えることもできます。
→ ただ、実感として水だけで洗うのとは明らかに違うので、メッシュネットに入れたマグネシウムと洗濯中衣類の皮脂や油、塩素も含んだ水道水の反応で何らかの消臭効果や洗浄効果が高まっているのかもしれません。単純に水質のPH（酸性 or アルカリ性）だけで判断できない点もあると思います（文章なが）m(__)m

「根拠なし」 = 「効果なし」ではないよね？と…

上述の出来事があってからすぐ、宮本製作所は迅速に対応をとりました。

実証実験では「洗浄効果の確認試験」と「洗濯後のニオイ残り判定」の２つを公表しています。

実証実験１：洗浄効果の試験結果

・実施場所：環境管理センター
（環境管理センター：環境調査・分析管理・コンサルタントなど1971年創業から50年以上、様々な環境調査を行っている企業）参考ページ(wikipedia)

・洗濯条件：４４L(リットル)縦型洗濯機を使用
　水量に対し規定の液体洗剤は規定量を投入
　洗濯マグちゃんは新品を４個投入（マグネシウム合計200g）

・染色方法：下表食品を別々の布へ500μℓ(マイクロリットル) = 0.5gずつ滴下
　そのまま24時間放置したものを使用

強力な洗浄力！などということは決してできませんが、利用者がマグちゃんに最も期待しているのはそこではないと思いますし、この実験結果からして洗濯使用に一定の洗浄力があると言って差し支えないのではないでしょうか。

実証実験２：洗濯後のニオイ残り判定

・臭気判定士が統括する官能試験を実施
（臭気判定士：悪臭防止法に基づき創設された国家資格 – 1996年開始-）参考ページ(wikipedia)

・下表の臭いに対し「水洗濯」「マグちゃん洗濯」の有意差をパネル20人が判定
　対象のニオイを綿布に付臭

「効果なし」に対してのNPO法人からの訂正要求もあった

さらに「食品とくらしの安全基金」というNPO法人が共同通信に対して訂正要求文書を提出しました。

↑の文書そのものや出典元の記事あるように、宮本製作所はビーカーで実験をしていたことも事実のようですが、家庭用洗濯機での効果をしっかり確認していたことも事実です。

食品と暮らしの安全基金のスタッフさんも同様に効果を感じており、モニターさんにも確認して効果を実感しているとのこと。

まだ科学的に完全証明できなくても「完全に無意味」と決めつけるのもまた偏っていますよね。

マグネシウムで洗濯ができるからと言って洗剤や漂白剤を全く使わないワケではなく

「自分で判断して使い分ける人が大半じゃなかろうか？」

と思いますが、なんか目立ってしまって叩かれた感は否めませんね。
（しつこいですが個人の想像です）

金属アレルギーのある人はマグネシウム洗濯が合わないこともある

もう１つ、注意点として、金属アレルギーをお持ちの方についてです。

以下、宮本製作所が公式サイトQ&Aで回答しています。

金属アレルギーについて

一般的に、マグネシウムの金属アレルギーをお持ちの方は少ないといわれておりますが、ご心配な方は専門医にご相談ください。

また、マグネシウムを水道水に入れると、水と反応して水酸化マグネシウム、残留塩素と反応して塩化マグネシウムが生成されます。

お洗濯をした後、衣類に残るのはマグネシウム単体ではなくこの水酸化マグネシウムと塩化マグネシウムになります。

この点をお医者様にご説明ください。

faq | 株式会社 宮本製作所：http://magchan.xbiz.jp/faq/

マグちゃんで洗濯をしたあと、水酸化マグネシウムと塩化マグネシウムが衣類に残っていることもある、ということで、これが身体に合わない方も稀にいるということです。

人間の身体にとってマグネシウムは必要な成分ですし、野菜や果物でマグネシウムを含むものはたくさんあります。

…が、食品として噛んで咀嚼し消化・吸収・代謝されることと、衣類に残ったマグネシウムの成分が皮膚に触れての反応とでは、また違うということですね。

紆余曲折もあったマグちゃん、それでも使おうと思った理由

筆者はマグちゃんを知ってから前項までの報道内容等もある程度知っていましたが

と強く思って、結局購入しました。

自分も”やたらと”鼻がきく方で、合成洗剤や柔軟剤の量を多めに入れて洗った衣類を着ると、臭いが強くて気分が悪くなることがあるからです。

子供の頃から、香料などの臭いにも敏感なところがありました。

それに加え、生乾きの臭いなども混じった衣服の匂いを吸い込んでしまうと「おえーっ」となって咳き込んでしまうこともあります。

結局、試してからとても気にってしまいずっと使っています。

粉石鹸 or 石鹸洗剤を使う手もありますが、水に溶けにくかったり洗濯槽に石鹸カスが付着しやすいというデメリットがあります。
└ 洗濯槽内の石鹸カスが餌になり、雑菌やカビが繁殖しやすい状態になることもある

普段少し汗をかいた程度の、汗と皮脂汚れを落とす分にはマグネシウム洗濯で全く問題ないと自分は実感しています。

汚れが酷い場合はもちろん合成洗剤も使いますし、シミがつけば漂白剤を使います。

マグちゃんは、洗った直後の衣服がアルカリ水っぽい匂い？で刺激がなくて心地良いですね。
（単に水道水の塩素の匂いもあるかもしれません、そこまではちょっと判別できませんが）

使い方もカンタンでラクすぎます。

説明不要なくらい使い方カンタン

マグちゃんは、洗濯洗剤を軽量スプーンで掬すくって入れる動作以上に簡単ですね。

マグちゃんを洗濯物と一緒に洗濯機に入れ、いつも通りに洗濯機を動かすだけ

です。

ネットをそのまま洗濯機に投入し、いつも通り回す
（すでにマグちゃんは見えませんがこの中に入れて洗濯中）

濯ぎ、脱水まで終わったら、衣類と一緒にマグちゃんもネットごと物干しのピンチに挟んで干して乾かします。

↓こうやって

→ で、計300回ほど使えます。

いつ購入したか？使い始めたか？をメモしておくシールも同封されていますね。

このシールに↓使いはじめた日付を書いておけばOK

実際に使って＋調べて、わかったメリット＆デメリット

実際、マグちゃんを使ってみて感じていること
＋調べてみたわかったメリットデメリットなど

まとめると以下↓のような感じです。

塩素えんそ系漂白剤がダメな理由は、マグネシウムを包んでいるメッシュ生地の傷みや色落ちの可能性があるため（酸素さんそ系漂白剤はマグちゃんとの併用可）
参考：マグちゃん公式サイトFAQ

布巾を洗濯機で洗ってしまえる｜個人的にかなりのメリット

食器を拭く布巾は、合成洗剤を入れて衣類などと一緒に洗うのは抵抗があります。

多くの場合、

• 水に少量の台所用漂白剤を混ぜて漬ける→ 濯ぐ → 干す
• 煮沸消毒をする or 水洗いだけして天日干し

などが布巾の一般的なお手入れかと思います。

しかしマグちゃんがあれば、食器を拭いた後のわずかな汚れや雑菌が発生した布巾をそのまま洗濯機に数枚まとめて入れ、マグちゃんと一緒にいつものように洗濯機を回すだけです。

布巾を手洗いしたり、漂白剤に浸けたものを”わしゃわしゃ”と自分の手でよく濯ぐのは意外と面倒なので、筆者はこのやり方でかなりラクしています。

Tシャツなど少し”ふんわり”した洗い上がりに

実感として、Tシャツやスウェットなど、マグちゃん洗濯だと合成洗剤を使った時よりも少しですが”ふんわり”した質感になります。

結果、静電気も起こりにくくなりました。

これは、洗浄力と矛盾しますが、合成洗剤や石鹸洗剤よりも、洗濯中の水がアルカリに偏っていないためだと考えられます。
└ 基本的にアルカリが強いほど衣類がゴワゴワした感じになる。

もちろん衣服の状態・湿度などで変わってくるし、もともと帯電しやすいポリエステル100%の素材や、重ね着素材の組み合わせで静電気が発生することはあります。

あくまで気持ち程度ですが、マグネシウム洗濯をしたTシャツの上にポリエステル100%のシアーシャツなんかを着ていても静電気の発生が少なく、肌感も良いです。

ポリエステル100%の他、静電気が発生しやすい素材を使用した衣類そのものは、マグちゃんで洗っても静電気はすぐ発生します。
静電気が発生しやすい衣服は、筆者自身は、洗濯後に干して乾いてからエレガードなど静電気防止スプレーをします。
（その後も、衣類に吹きかけた噴射霧が完全に乾くまで風通しの良いところに陰干し）
静電気防止スプレーも香料のニオイがありますが、時間が経つとニオイはかなり軽減するので妥協策として使っています（柔軟剤は元々苦手で、滅多に使いません）。
直接、地肌に触れる肌着などは静電気防止スプレーもしません

洗濯槽がカビ臭いときはマグちゃんでもニオイが衣類に残ることはある

いくらマグネシウム洗濯で水がアルカリ傾く性質があると言っても、洗濯槽が一度カビ臭くなれば根本原因を退治しないとニオイが消えません。

洗濯槽内自体からカビ臭がする場合は、洗濯槽内を拭き掃除する or 洗濯槽カビキラーなどで洗濯槽洗浄をしましょう！

言い換えれば、

マグちゃんばかりを使っていて洗濯槽がカビ臭くなってきた場合、もう効果が無くなってきてるという合図

ということです。

新しいマグちゃんに買い替えするタイミングと思った方が良いでしょう。

洗濯槽にカビが発生しやすいか否かは季節や使用頻度によります。

猛暑の夏にしばらく自宅を空けていて、洗濯機のフタを閉めた状態で数日放置しているとカビ臭くなりやすいです。

状況によりますが１日１回は洗濯機を回している方が、洗濯槽内はカビ臭くなりにくく、マグちゃんを使っている場合は特にその傾向が顕著です。

手入れ｜効果が薄れてきたら、水につけてゴシゴシする

メッシュネットの中に入っているマグネシウム玉ですが、使用回数が増えてくると表面に酸化被膜が表れてきます。

使用するほどにマグネシウムの酸化・腐食というのは避けられません。

宮本製作所が公式サイトで以下の手入れを推奨しています。

洗濯が終わりましたら、酸化を防ぐためにきちんと乾かしてください。
干す場所は室内でも屋外でも大丈夫です。

効果が薄れてきた場合は、水の中でマグちゃんをゴリゴリとこすり合わせるように、もみ洗いしてください。
酸化被膜が取れていきます。

faq | 株式会社 宮本製作所：http://magchan.xbiz.jp/faq/

筆者自身も、やはり規定通り300回近く使った段階で効果がかなり弱くなっていると感じました。

上記の手入れで、新品同様とまではいかないですが多少復活する感じはします。

※クエン酸水に浸ける方法もあるが推奨はされていない

マグネシウムはクエン酸水に浸けると”シュワシュワ〜”と炭酸水の泡が出るような音がして、マグネシウム表面についた皮脂や石鹸カスなども一緒に剥がすことができます。

マグちゃんもネットごとクエン酸水に浸ければ、マグネシウム粒表面の汚れが落ちます。
└１〜２分ほど浸したら、最後によく水洗いして干す

筆者もこのやり方で手入れをしたことがあるのですが、やはり

マグネシウム表面を溶かしている

ということなので、マグネシウム玉も小さくなり、手入れする前より効果が落ちたように感じました（これで効果が復活したという声もあります。）

宮本製作所はクエン酸洗浄のお手入れは推奨していません。

また、当社ではクエン酸でのお手入れは推奨しておりません。
クエン酸洗浄をした場合、マグネシウムが溶け、使用期限が早まってしまいますのでご注意ください。

faq | 株式会社 宮本製作所：http://magchan.xbiz.jp/faq/

もし、どうしてもクエン酸水での手入れをやってみたい場合、容器は必ず「陶器」もしくは「ガラス」のものを使ってください。
プラスチック製や金属の容器だとマグネシウムとクエン酸水の反応で容器そのものの表面がわずかですが、溶けたり腐食につながる場合があります。

使用回数を過ぎれば買い替えが無難

説明するまでもないかもしれませんが、やはり

• 使用回数がおおよそ300回を超えた
• 使っていて明らかに効果が落ちていると感じる

という状態になれば、買い換えをするのが無難ですね。

まとめ

マグちゃんのメリットやデメリット、合成洗剤と比べてどうなのか？

消費者庁からの景品表示法上の”優良誤認”とされた後はどうなったのか？

など、マグちゃんの色々な面を掘り下げてみました。

どんなモノでも最終的には「自分に合うモノを使えばいい」となりますが、使う前から「効果ない」と先入観を持ってしまっては勿体無いです。

それでは！