自宅で長年使っている炊飯器にトラブルが発生しました。
コンセント差込プラグの根元部分、コードの被膜に穴が空いてしまいました。

破れた場所から”パチッ”と火花が散ることもある
ココに触れるのも厳禁・感電します。
↓炊飯器がコレ(もう10年以上前に購入)
TOSHIBA RC-10MF|鍛造厚釜・ダイヤモンドチタンコート


炊飯器そのものは何の問題もなく正常に動き、内釜コーティング剥がれ等も全くない…
相変わらずご飯も美味しく炊けるので
「買い換えする必要ないよな?」
と思い、被膜破れの部分からコード切断 → プラグごと交換することにしました。
作業手順など1つずつ写真を撮っていたので、当記事で詳しく記します。
※筆者と同タイプのコンセントプラグで(詳細後述)、同じトラブルが起きた場合、解決のお役立てになれば。
ここではコンセントプラグから伸びている線を全て「コード」という呼び方で統一しています。
※「ケーブル」と言うと、野外の電線や建築物幹線などの意味も含まれるため。
【作業前】注意・留意点

この作業(コンセントプラグのみ交換)は、特に専門資格は必要ありません。
└ 筆者も電気系の資格は持っていません。
子供の頃からプラモや工作好きな方とか、手先が器用な方であれば難なくできます。
※以下、作業ステップをザッとご覧になり、
「難しそう、出来そうにない、超絶面倒くさい」
と感じる方はプロに修理依頼 or 買い替え等も選択肢に入れてください
コンセントプラグ詳細
コンセント差込プラグとコードの種類
(被膜が破れた)旧コンセントプラグ | 12A(アンペア)125V(ボルト) |
新しい補修用コンセントプラグ | 15A(アンペア)125V(ボルト) |
コードの種類 | ビニール平行2線 |
(一般的なよくある家電のコンセント&コードです)。
このようにプラグ交換


A(アンペア) = 電流の値
V(ボルト) = 電圧の値
です。
新品のプラグが15A(アンペア)で、炊飯器に元から付いていたプラグが12A(アンペア)ですが、今回のケースは交換して問題ありません。
- 炊飯器本体の消費電力が1100W(ワット)
- 元々ついていたプラグが12A×125V = 1500W
- 交換する新しいプラグは15A×125V = 1875W
└ 炊飯器本体の消費電力(W)と元々ついていたプラグより数値が大きいので問題なし
参考記事:

コンセント差込口の定格と差込プラグの関係について
プラグ交換作業をする分には、ここは読み飛ばしてもOKです。
一応読んどく(タップ or クリックで開きます)→
一般ご家庭の、壁設置コンセント差込み受け口は15A × 100V= 消費電力1500Wとなっており、125Vのプラグや延長コードを差して使って問題ありません。
1つの壁コンセントに接続して使用する家電の消費電力合計が1500Wを超えなければOK
└ 実際は1500wギリギリいっぱいまで複数の家電を同時使用するのは避け余裕を持って使うのが安全。
差込口が5〜6個もあるデカい電源タップを使う場合も同様(同時使用は1500Wまで)。
※1つの延長コードや電源タップに接続している家電の合計消費電力が1500wを超えると、コンセントやコードから発火したりする可能性があり得るので危険
タコ足配線が良くないと言われる理由もそれ
その他、差込口付近にホコリが溜まった状態も危険です。
色々とお伝えしましたが、筆者と同じケースであれば補修作業を正しくやれば特に心配は要らないです。

コンセントプラグ(根元)の被膜が破れた…
でも家電はまだ使えるし買い替えたくもないなぁ
という状況であれば、トライしてみてください。
用意するもの(道具)


交換用補修プラグを含めて用意するものは以下6つ。
- 交換用プラグ
- ハサミ
- 定規(ものさし)+マジック(細め)
- カッターナイフ
- プラスドライバー
└ マイナスドライバーもあれば更に良い(理由は後述) - 電工ペンチ
└ ラジオペンチもあれば更に良い(理由は後述)
以下↓全て揃えれば失敗リスクを減らせます。


上写真のモノ全てホームセンターで買えます。
ほとんどご自宅にあると思いますが、電工ペンチ(写真最右)は無い場合もあるかと思います。
電工ペンチはコードの被膜を剥いて芯線を出すときに使います(詳細後述)。
電工ペンチがなくてもカッターナイフでも出来ますが、慣れていないと失敗する確率も高くなるので出来れば電工ペンチを用意しましょう。
└ カッターだとケーブル芯線(銅線)まで切断してしまう可能性が高くなる
筆者が使ったのはマーベル(MARVEL)の電工ペンチ M200Aというモノです。


交換用プラグは角度を変えられるムービープラグを選択
新しい交換用の補修プラグは、コンセントに対して直角に差し込めるムービープラグを選びました。
↓こうして90度の角度で使えて便利なのです


炊飯器に取り付けられていた元のプラグは、コードを本体内部のリールに収納できる巻取り式電源コード。
↓掃除機とかでもお馴染みのこのタイプ|写真はプラグ交換後




筆者は炊飯器を毎回使うたびコードを引っ張り出し、使い終わったら都度、コードを本体に収納していました。
結果、プラグ根元に“毎回”強い力がかかって被膜が破れたというワケです。
そのため角度を柔軟に変えられるムービープラグを選びました。


HS-H15TTMP/W ●15A-125V


メーカーはオーム電機以外にもエルパ(ELPA)とかパナソニックなど色々とあります。
特にメーカーに拘る必要はないでしょう
(筆者は上記、オーム電機のモノを使いました)
コンセントプラグ交換|作業ステップ
作業ステップは以下6つです。
それぞれお伝えしていきます。
ステップ1:被膜破れの箇所より手前からハサミで切断
ただ切断するだけの簡単な作業です。
↓ここから切断します


↓必ず破れた部分の手前で切断しましょう


ステップ2:先端から3cmの部分まで平行2線コードを割く
補修用プラグの説明書きに従い、ケーブル切断したところから3cmまで割きます
↓これを作る


平行2線をどこまで割くのか?マジックで印を書きます↓


マジックで印をつけた部分(3cmの箇所)からコードの切断箇所(先端)まで、カッターナイフで切り込みを入れます。


以下↓の状態を作ります。


ステップ3:最重要|電工ペンチでコード被膜に切り込みを入れる
次は、コード先端から2cmの長さ分だけ、被膜を剥いて芯線(銅線の束)を露出させます。
芯線ごと”ちょん切って”しまっては意味がないので外側の被膜だけ剥いて、芯線を綺麗に露出させるのにちょっとコツが入ります。
1つ1つ慎重にやっていきましょう。
まず、コード先端から2cmの場所にマジックで印を書いておきます。


筆者はまず、切断箇所から3cmまでコードを割いてから、2cmのところに印を入れないと間違えてしまいそうだったので後から印を書きました。
次にコード内部、芯線の「太さ」を電工ペンチを使って確認します。
重要ポイント!
コードの切断面を電工ペンチの穴に合わせてみてピッタリジャストの部分を確認します。以下、写真参照


難しそうに感じますが、電工ペンチを使えば割と簡単に、目視で判断できます。


いきなり被膜に切り込みを入れず、電工ペンチ穴の下から被膜切断面を充ててみてピッタリジャストの穴はどれか?
確認していきます。
まずは2.0の穴に合わせてみると幅は…


2.0よりだいぶ芯線束の直径は小さいことが分かりますね。
今度は0.9に合わせてみると…↓


ちょうど0.9です。
いよいよ電工ペンチで被膜に切り込みを入れます。
必ず(印を書いた)2cmの部分に切り込みをいれましょう
割いたコードを(片方ずつ)2cmのところをペンチの0.9穴に挟んでレバーを握ります。


結構、強く”ギュッ”と握って大丈夫です。
ステップ4:【慎重に】被膜を”ゆっくり”抜いて外す
あとは上写真の状態で(電工ペンチで挟み込んだまま)、先端の被膜を指で引っ張って”スポッ”と綺麗に抜き取ることができればOKです。
先端の被膜を引っこ抜くときのコツはとにかく、
コードに対して角度をつけず真上にゆっくり引っ張る
という点(意外と指先の力は要りますが)。
真っ直ぐ引っ張ってみても被膜が上手く抜けてくれない場合、被膜外周にグルっと綺麗に切り込みが入っていない可能性があります。
あとは処分するだけの取り外した部品↓


上手く引き抜けない場合、一旦、挟み込んたペンチ穴を緩め、コードに対し挟み込むペンチの穴の角度を90度ほど変えてもう一度、同じように被膜を”ギュッ”と挟んでみてください。
被膜の外周(360°)にグルっと一周、満遍なく切り込みが入れば綺麗に外せるはずです。
※もしくは、芯線と電工ペンチ穴のサイズが合っていない可能性もあります。
ステップ5:剥き出しになった銅線の束をよじってまとめる
被膜を外し、芯線を露出させたら先端をつまんで右巻きによくねじっておきます。
↓芯線を右巻きにねじる


→ 被膜を抜いて露出させた芯線の先端をつまんで右側に回して束ねる
手先を慎重に使う作業ですが、ここまで出来たらもうクリアしたようなものです。
以下、作業ステップも確実にゆっくりやっていってください。
ステップ6:補修用交換プラグに芯線をセットする
ここからようやく交換用プラグに芯線をセットしていきます。
まず、剥き出しにした銅線の束をラジオペンチで“フック型”に右側に曲げます。
こうやって↓必ず右方向に!


この状態を作ります↓


しつこいですが必ず右方向に曲げるのは間違えないでください。
次に、補修用プラグに芯線を接続していきます。
まずはプラスドライバーでプラグの蓋を開ける↓


プラグ真ん中のネジを外したら、フタを開けてコード芯線を接続していきます。
以下、写真1〜7で作業の流れをご覧ください
( ← スワイプ → してください)
これでプラグ交換の完了!




また同じように炊飯器が使えるようになりました!
記事にするととても長くなりましたが、作業の全体像をザザッと把握して、あとは1つ1つ慎重にやっていけばそんなに労力のかかるものでもありません。
滅多にないコンセントプラグの被膜破れですが、家電自体はまだまだ使える状態だと、



なんとかならないものかねぇ
と、新しいモノを買うにも気が乗らないこともあります。
さらに、お気に入りの製品であれば尚更ですよね。
そんな時は少し手間はかかりますが「DIYだ!」というつもりで修理してみるのも良いですよ。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは!